5.21.2011

Lee Friedlander MoMA リーフリードランダー 写真集 Friedlander Peter Galassi

(C)Museum of Modern Art

ロバートフランクが放ったアメリカ写真への大きな影響から、60年代以降ウィノグランドなどとともに各々の写真を発展させ、写真でやれることの可能性を拡げたLee Friedlander (b.1934 Aberdeen, Washinton)

2005年の初夏MoMAで開催されたPeter Galassi(ピーターガラシ)がキュレーションした 回顧展のカタログ。
6点のカラー写真(ジャズミュージシャンのポートレート)477点の白黒写真と元々多作な写真家であることからも回顧展は大規模なものになったようです。同年 Hasselblad International Award 賞を受賞。今も手に入れることが出来る展覧会のカタログ は、480ページ4センチ弱の厚さ。彼の作品が時系列、テーマ順に並べられシンプルに構成されています。印刷もこの価格にしてはなかなか美しいものです。



1960年代初期の作品には、ロバートフランクの影響が見えます。これらも素晴らしいのですが、彼の魅力はその自分が撮った写真の中にある要素(線、影、記念碑、写り込み etc..)を発見し、それが後に独立したプロジェクトとして撮影されシリーズとなっていっているという貪欲に循環していくプロセス。ピーターガラシによる前書きのタイトル "You have to change to stay the same" (同じでいるために変わらなければならない)が一言で実によく言い表しています。

一見なんの関係ももたない多種多様な被写体をテーマにしているかのようでいて、彼の写真を構成する要素だけを取り出してみてみると、あるいくつかの性質がシリーズを横断していることがわかります。「立体の平面化(2次元化)」- 例えば近くにある道路標識と背景にある空の雲が写真の上で関係性をもっているかのように平面化されている写真 外+車のミラー+車の中 距離の圧縮 またゆがみ
「直線の繰り返し」- 山や草、金網、労働者の使う機器のホース、窓、建物の壁など
「写り込みによるトリプル、ダブルイメージ」(*彼以前、写真の中に自分自身の影や窓への写り込みは写真のフレームから排除するものだった。)

850カットの写真が収録。一時期絶版になっていましたが、最近また私が買ったときより安くで出回っています。フリードランダーは"Self Portrait"のシリーズが有名ですが、それは彼の写真のほんの一部の側面に過ぎないことがよくわかります。

Masters of Photography: Lee Friedlander
Fraenkel Gallery : Lee Friedlander
James Kelly Contemporary
MoCP : Lee Friedlander
art-photo site:リー・フリードランダー(Lee Friedlander)プロフィール
ICANOF:リー・フリードランダーの写真(写真家の金村修氏の鋭いフリードランダー評)

Amazon.co,jp : Friedlander
Arrivals & Departures: The Airport Pictures of Garry Winogrand
Walker Evans: The Hungry Eye

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